土方歳三の日記 卯月十五日 ようやく俺の好きな春らしくなってきた。といってもまだ肌寒い。 昨日抱いた総司の暖かさと淫らさが忘れられなくて 筆を持ちながらうとうとしていると、目の前の庭を 花が移動していた!!!!!!なんだ?と思って後をつけてみると 花ではなく花を持った斎藤が移動していたみたいだ。 あんな大量の花、何に使うんだ? と思ったらこともあろうに総司に渡しやがった。総司もにっこり笑ってやがる。 しばらく物陰に隠れて凝視していると総司と目が合った。ビクっと猫みたいに 体を揺らした総司はこの際いいとして・・・・・・・・・・・・・・・・・ 花を貸せと言うと総司はおずおずと渡してきた。というか重かったからだろう。 俺も渾身の力中庭の池に放り投げてやった!!!ざまぁみやがれ!!! 次の日、総司が捨てたと思ったんだろうな・・・・斎藤の奴手首切りやがった。 うーーむ・・・・・・・やりすぎたかな 卯月十八日 朝起きて、飯を食って、書類に目を通して、近藤さんと話して・・・・・・・・・・・ そこまでは至極普通だった。しかし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 座敷に入る前にふと隣の部屋を覗いた瞬間、俺は凄いものを見てしまった。 総司が伊東に花瓶をかぶせたのだ。普通こういうときは総司を叱ればいいものだが 「あがががが・・!!ははははやく抜きなさいおおおきおき・・・・」 ときょどっている伊東の声を聞いた瞬間えもいわれない笑いの渦が押し寄せてきて・・・・ ようするに笑ってしまったってことだ。総司め・・・なんて面白いことを!! とりあえず後でフォローしておいてやった。妻の不祥事の始末は旦那がやるのは 当たり前だしな。うむ。 卯月二十三日 総司が暇そうにしていたので、かまってやろうと思ったが 相変わらず無垢な総司は「お手玉してください」とか言ってきたので アホらしくて放っておいたらますます暇らしくてぶーぶー文句をいい始めた。 仕方なく袴を脱いで「咥えろ」と言って咥えさせることにする。 総司のてくにっくとやらは絶品で、俺もかなり気持ちが良かった。 そしたらイキナリあいつ俺のを吐き出しやがった。しかも大切な書類に向けて・・・・ どうやってこんな物を先方に出せばいいんだよと怒ったら総司も 負けじと泣きながら怒り出した。 とりあえず書類を書き直して・・・・・・・・・・・無理か・・・・・・・・・・ 卯月二十四日 突然島田から「副長もたまには汗を流してスッキリしてみてはいかげですか?」 と言われ、最近出ていなかった稽古に出ることにする。 しかし道義を身につけて出た瞬間、激しく後悔した。 いつもはあまり居ないはずの殺人機一番隊長が居た!!! いつもならいざ知らず喧嘩中の俺達・・・・・俺は死を覚悟した。 案の定総司が闘気を帯びた瞳をギラつかせながら「一勝負お願いします」 と言ってきた・・・・・・・とりあえず軽く巴投げをされ、一本背負いをされ 大外狩りをされてシメにかかと落としをされた。オイ!!今日は柔道の日だろう?! なんで空手の技が入ってるんだよ!!!!! 卯月二十六日 もう二日ばかり口をきいていない。餓鬼の喧嘩じゃあるまいしと思うだろうが・・・・ まぁ先方もいいと言ってくれたので収まったがあれが密書だったりした場合かなり まいるところだった。しかし総司も悪気があってしたわけじゃないと思い直して 深夜部屋へ行くことにする。泣くほど突いてやればなんとか機嫌も直るだろう。 総司は待ちわびたように駆け寄ってきた。可愛い奴め・・・・・・・・・・・ そうしたら刺客が障子を蹴破って入ってきた。ったくなんで毎回毎回 こう懲りずにやってくるかなコイツらは・・・・・・・・・・・・・・・・・。 とりあえず斬っておいた。総司はバッサバッサと斬り捨てていた。 近藤さん・・・・・・・・・・・・仕込みすぎだ・・・・・・・・ 皐月二日 今日は久しぶりに総司と清水寺へ参拝することにする。 縁結びの神社へ寄ると総司は恥ずかしそうにしていた。 確かに男同士は恥ずかしいかもしれん・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 帰りに並んでいる店で食器を買う予定にしていた。総司と俺の 食器が欲しかったからだ。というか・・・・隊士が俺たちのを壊したからだ。 あいつ・・・総司のことが好きだからな・・・・・・・・・・総司に言わせれば 「あの人は副長の事を愛しているんですよ」だとさ。どっちか分からん。 店の奥で見ていると、総司が誰かと話しているのが視界に入った。 知り合いか・・・?と思ってみると半端じゃなく別嬪と話しているじゃねぇか!! こんなに綺麗な知り合いがいるなら紹介しろよ・・・・・と本気で思ったぜ。 少し総司に雰囲気は似ているけれど、総司よりしとやかで、優しそうだった。 そして視線を向けて下を見ると、階段の下には男がいた。チッ男連れかよ。 あんな美人・・・・・一回くらい抱いてみたい・・・・・・・・・と思っていたのが 見事に総司にバレて、食器を三十枚も投げつけられた。お・・・お前売り物に なんちゅーことを・・・・!!!店のオヤジは半キレ寸前で「御代」 とだけ言ってきた。さすがに「新撰組の土方だ」とは言えず、金を払う・・・・・・。 総司は呆れて帰っていった。あいつも少しはあの美人のような奥ゆかしさを 身につけて欲しい・・・・・・・・・・・・・・切に思う・・・・・・・・ |