向日葵総ちゃんの日記♪ 水無月10日 最近よく黒曜石の姫様とお会いして話をしているv 両方同じ総司だから、紛らわしいねと言ったら 「別の名前で呼びましょうか」 と言われたから 「撫子さんって呼んでいいですか?」 と聞くと 「じゃあ向日葵さんって呼ばせてくださいね」 と微笑んでくれた。この名前は二人だけの秘密で、コイビトにだって 教えないんですvv秘密ってすごいドキドキすることなんだなぁ 水無月12日 今日は撫子さんと会う予定だったのに・・・・・・・不覚にも風邪をこじらせてしまった。 ううぅ・・・・・・・悔しい!!!悔しくて泣いている私のところへ土方さんが来て 看病してくれるのかなと思うと、嬉しそうに 「こんな酷い状態ならあの友達には会えそうもねぇなぁ。それじゃあ俺が 総司が行けないことを友達に伝えてきてやるから安心して寝ておけ」 と言った。一番安心できない!!だって土方さんは動く下半身なのに。 あの綺麗な人になにするか分かったもんじゃない! 「非番の一番隊の誰かに頼みますから!!結構です」 って必死で訴えたのに 「お前なぁ・・・・・・隊士をそんな理由でコキ使ってはいかん。恋人である俺が 直々に挨拶してくるから」 オイ待て!!あんたの挨拶って一体何?動く下半身がする挨拶って言ったら 一つしか・・・・・・と思うと血が逆流しそうでついついギャーギャー喚いてしまった。 「島田君、沖田をよーーく見ておいてくれたまえ」 とパチンと指を鳴らすと、どっから現れたのか巨体の島田さんが跪いた格好で そのままスーーーーっとスライドした形で私の目の前に来た。 「御意!この島田、命にかえても命令を遂行いたします」 ぎゃーーーーーーーーーーー!!!あんた達怖い!! 土方さんめ・・・・・・・・・・今日帰ったら離縁状を叩きつけてやる!!! 結局何故か枕もとに島田さんが居て、しかも一言も発してくれないから 怖くて眠れなかった。 土方さんは案の上上機嫌で帰ってきたけれど 黄色い綺麗な花束を私に渡して 「これは黒曜石のひとからお前へ。元気を出してまた会おうってさ」 と言った。私はすごく嬉しくなってその花を胸に抱きしめた。 「お前もいい友人を見つけたな」 そういって土方さんは優しく私の頬を撫でてくれた。 何があったんだろう? 嬉しくてその花をお気に入りの花瓶に入れて枕もとに飾って寝ることにする。 いい夢が見れますように・・・・・・・・・ 水無月15日 なんとか体調が良くなった。先日撫子さんと会えなかったから すごい悔しい思いをしたけれど。今日は特に約束はしていなかったけれど もしかしたら会えるかもと思っていつもの茶店に行ってみる。 すると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その茶店の近くにある薬種問屋の小川屋さん・・ 私と撫子さんが再会した場所なんだけど・・・・・。 そこの店頭にボーーっと立っている人に見覚えがあったから立ち止まって見てみる ことにする。相手も私の気配に気付いて振り向いた 「あっ・・・・・・・・・」 私は声をあげてしまった。だってその上等な黒い羽織を羽織った人は・・・・・・・ 撫子さんの恋人さんだったんだもの。その男の人は私を覚えててくれたようで 優しく笑いかけながら寄って来た。 「奇遇ですな」 男らしい声にちょっとクラっときてたら、優しいその人は私に 「喉が渇いていませんか?」 といって茶店へ誘ってくれた。私も撫子さんの事を聞きたかったし ついていく事にする。二人になったのは初めてだったし、知り合って間もない 男の人と二人だけでお茶を飲むのも初めてだったからどうしていいか 分からなくて、俯いてたかもしれない。中途半端に内弁慶だからなぁ私・・・・・。 撫子さんのことを聞くと、今日は仕事だと言った。忙しいんだなぁ撫子さんは! もっと聞こうと思ったら、何故か撫子さんの旦那様は「発句」の話を始めてしまった。 よく分からなかったけど土方さんもたしなんでいるし、必死で聞いてみた。 「今度句を貰っていただけまいか?」 という彼の返事は困ったけれど。撫子さんが悲しむ顔は見たくないなと思ったけれど 有無を言えぬ状況に頷いてしまった・・・・・・でのこの人は句の向上のために といっていたから深い意味はないと思うけど。常に前進しようとする姿勢は すごく好きだなぁ・・・・・・・ってうっとり見てしまった。あわわ・・・・・・・ 茶店を出た後、撫子さんにいただいたお花のお礼がしたいと思い すごく申し訳ないと思ったんだけど旦那さまにも贈り物を選ぶ手伝いを してもらおうと頼んでしまった。やっぱり旦那さまが一番撫子さんに似合うものを 選べるかなと思ったし・・・・・・・ ちょうど花屋さんの横がこじんまりした小物屋さんで、そこであれこれと選んだ結果。 綺麗な朱色の櫛を選んだ。櫛をとく撫子さん・・・綺麗だろうなぁ・・・・・・・・・ 花屋さんで一本の紫菖蒲を買ってあらかじめ持ってきていた文にくくりつけて 旦那さまに渡してもらうことにした。 その時、私たちの目の前になんと斎藤さんと伊東先生が通りかかった。 斎藤さんは私が見知らぬ男の人と一緒にいたことがそんなに驚いたのか 「・・・そそそ・・・・その人は・・・・・・・・一体・・・・・・・・・・」 とドモっていたけれど伊東先生は嬉しそうに 「あらら・・・・・お取り込み中すいませんでしたねぇ。さ!斎藤君邪魔者は退散です」 と言って動かぬ斎藤さんを引っ張って行ってしまった。 あああ・・・・・・・・伊東さん経由で尾ひれついていらぬ噂が回るだろうなぁ・・・・・・・・ でもこの人とならいいか・・・・・・・と思ってしまうところ私も現金だなぁ ごめんなさい撫子さん 最期に旦那さまに 「撫子さんにオウムを買ってあげてください」 と言ってしまった。あぁ・・・・・・・人の事情に口挟んでごめんなさい。 ウサギとオウムと二人でお話したかったから・・・・・・・・・ 旦那様は「考えておきます」 と笑って帰っていった。 今日はいい日だったなーーー あーーーーーーー明日からまた人を斬るのかぁ・・・・・・・ あの二人と会っていると俗世のいやなことを忘れさせてくれる気がする。 また会いたいなぁ あの櫛気に入ってくれるといいけど 水晶の文庫 |