呉服屋宗ちゃんのシアワセ♪ その弐っ!
「宗次郎、大丈夫かえ?」
すらりと開いた襖から、声と同時に入ってきた八郎さんは、まだ近藤先生に肩を掴まれたまま、驚愕と恐怖から戻れない宗ちゃんの際まで来ると、其処に片膝つき、今にも零れ落ちそうに見開かれている瞳を覗き込みました。
「伊庭の若さまが、坊ちゃんの見舞いに来てくれはったんや」
その様を見ながら、何時の間にか来ていた山崎さんが、大きな体を固まらせている島田さんに、淡々と告げました。
ですが突然そう親切に教えられても、あまりに予想外の展開の連続は、混乱に輪を掛けるばかりです。
けれど何が何やら分か無いながらも、取り敢えず、宗ちゃんの打ち身傷の事は、近藤先生の知るところとなってしまったのだと、動かぬ頭で判じた島田さんは、白い面輪から色を失くし、息すら止まってしまったかのように硬直している宗ちゃんを、呆然と見下ろしました。
「左の肩は、まだ痛いのかえ?」
その島田さんと宗ちゃんの慄きを知らずして、八郎さんは身を乗り出し、虚ろに自分を映し出している瞳の主に問い掛けます。
「宗次郎、痛いのは左の肩なのかいっ?」
更にこれも、厳つい顔を、二人の間に無理やり押し込むようにして、近藤先生は宗ちゃんの薄っぺらな肩を揺すります。
「島田っ、お前まだそんな処にいたのかいっ、早く大先生を呼んできておくれっ」
「・・あっ」
近藤先生の叱責に、漸く我に返った島田さんが、慌てて踵を返そうとしたその時――
島田さんの手から、はらりと滑り落ちたものを見た宗ちゃんの瞳が、これ以上無いと云う程に見開き、次ぎの瞬間、誰もが目を疑う程の素早さで、か細い手が伸ばされ、寸での処でそれを拾い上げたのです。
そうして何やら黒っぽい泥のようなものがついているそれを、あたかも大事そうに両の手の平に載せ、宗ちゃんは、ほぅっと安堵の息を漏らしたのです。
「・・これは」
ですがその寸座、かの正体が何かを見極めた八郎さんの眉根が、深く寄せられたのです。
「宗次郎、それは何なのだい?」
近藤先生も、不審げに覗き込みます。
「・・あの、・・あの」
自分の手にあるものを、二人の視線から、慌てて隠し言い訳しようとする宗ちゃんでしたが、心の臓だけが、はくはくと高鳴り、上手いこと言葉が出てきません。
「父御(ててご)殿、これは当道場に来る、薬売りが商いとしている代物」
何と説明しようか・・・その宗ちゃんの狼狽を、いともあっさり退けて、容赦なく秘密の欠片を暴いてしまったのは、八郎さんの一言でした。
「はて?伊庭さんの道場へ来る、薬売り?」
「左様。実は過日、ひょんな事から縁を結んだ薬売りに、どうしても打ち身に効く膏薬を道場で売らせて欲しいと頼まれたのですが、まぁ、勤皇佐幕と何かと世情の騒がしい昨今、稽古にも自ずと熱が入る門弟達の為になろうかと、出入りを許した次第なのです」
八郎さんは、『遊びが過ぎた花街で、業の深い女との切れぬ縁に難儀していた処を、金で解決を請け負った薬売りとの取引だった』とは、露ほども語らず、けれど言葉には偽りのひとつも無く、事の顛末を、美味しく上手に自分流に、近藤先生に淀みなく語り終えました。
「ではこれは、その薬売りの売る、軟膏だと云うのでしょうか?」
「この胡散臭い色と匂いは・・間違い無いでしょうな」
これみよがしの難しい顔を崩さず、それはそれは厭々そうに、八郎さんは頷きました。
それを俯いて、顔も上げられず耳にしながら、宗ちゃんは秘密の全部がばれやしないかと、もう心の臓が止まりかねない慄きに、身が震えるのを止められません。
そうなのです。
近藤先生は、これで中々の可愛いもの好きなのですが、今まで宗ちゃんが可愛いと惚れこんで拾ってきた、或いは貰ってきた愛玩動物には、何故かあからさまに眉根を寄せ、そうしてそれらを飼う事を、すんなり許してくれた事が無いのです。
どうしてだろう・・と、一度茜に染まる縁側に腰掛け、ふてぶてしいご面相の猫を膝に抱き、毛繕いしてやりながら呟いた時、恐ろしく仏頂面の鮒に餌をやっていた島田さんが、それは、此れ等のどれもこれもが、ひどく目つきが悪い所為だと、困ったように目を瞬きながら、教えてくれました。
その時宗ちゃんには、島田さんの言葉の意味する処が良く分かりませんでしたが、取り敢えず、自分のお気に入りは、近藤先生には好かれないのだと云う事だけは、ぼんやりと分かり・・・その事実を、夕暮れの寂しさと相俟って、哀しく胸に刻み込んだのでした。
そんな訳ですから。
もしもあの薬屋さんに一目惚れしてしまったが故に、やっとうの稽古を始め、更に打ち身の薬を買いたいが為に、わざと蒼痣を作っているなどと知れたら、もう道場には通えなくなってしまう事は、火を見るよりも明らか。
其れほどまでに――
あの薬屋さんの目つきの悪さは、そうそうお目に掛かれない、類稀なものなのです。
「父御殿、実は宗次郎は・・」
八郎さんは更に何かを言いかけて、けれどそれを伝えて良いものか否か迷う風に、一度言葉を切り、ふりふりと頭を振りました。
「何でしょう?」
中途で話を仕舞にされれば、気が急(せ)くのは、世の常、人の常。
しかも宗ちゃんの事となれば、近藤先生も心中穏やかではいられず、八郎さんに詰め寄ります。
ですがその遣り取りを、頭の上で聞いている宗ちゃんの額には、うっすらと、冷たい汗すら滲む始末。
やがて大仰な溜息と共に、止まっていた八郎さんの口が、再び動きました。
「宗次郎は、どうもわざと負けているようにしか、思えぬのです」
「はて?」
元々やっとうになど興味の無い、いえいえ、それどころか道場に通う事すら、不承不承の近藤先生。
しかも息子の宗ちゃんは、その優しい容姿も華奢な身体つきも、誰がどう贔屓目に見ても、竹刀を振りまわすに相応しいとは、到底云い難いのです。
ですから『わざと負けている』と云われても、『端から人様相手に勝てる訳が無い』と思い込んでいる近藤先生には、八郎さんの言葉が理解できず、厳(いかめ)しい強面にある小さな目を一杯に見開き、不思議な事を告げる相手を、凝視してしまいました。
「父御殿、宗次郎の身のこなしの俊敏さは、うちの養父とて認める天賦の才。年季ばかりを積んだ下手な門人の一刀など、難なく交わして良い筈が、宗次郎は一度たりともそれをせず、むしろ甘んじて打ち込まれているような気がするのです」
「何とっ」
仰け反り発した近藤先生の太い声に、宗ちゃんの背がびくりと跳ね、そして強張りました。
「しかも・・」
ですがそんな宗ちゃんをちらりと見遣り、更に八郎さんは、近藤先生に耳打ちするかのように声を潜めたのです。
「宗次郎は、毎度毎度、かの薬屋から、薬を買い求めているのです」
「・・どう云う事なのでしょう?」
もう何が何やら分からぬ混濁した頭で、近藤先生は八郎さんに驚愕の目を向けました。
そうしてそれを聞いている宗ちゃんの、ぶるぶると震えの止まらぬ薄い背を、島田さんも、此方はもう濁々と、額やらこめかみやら首筋から、冷や汗を噴き出しながら、固唾を呑んで見守っています。
「宗次郎は・・」
八郎さんは又も其処で語りを止め、俯いていても、十分に蒼白な頬だと見て取れる宗ちゃんへ、視線を向けました。
「あの薬屋に懸想しているのでは・・と、私は睨んでいるのです。それ故わざと打ち込まれては打ち身傷を創り、薬屋から薬を買っているのです」
憶測の全てを述べ終わらぬ内に、ばね仕掛けの人形のように面輪を上げ、虚ろに瞳を見開いている宗ちゃんを、八郎さんは痛ましげに見遣りました。
「島田、お前知っておったんかいな」
嗚呼、と、ぎゅっと目を瞑った島田さんの横で、何の感情も感慨も無いように、山崎さんが小さな声で問い質しました。
それに恐る恐る頷く同僚を見て、山崎さんは小さな溜息を漏らしました。
「宗次郎っ、本当なのかいっ?」
目を剥き、血相変えて詰め寄る近藤先生の形相に、幾ら見慣れた父親(てておや)の顔と云えど、宗ちゃんは恐怖の限界に達してしまい、震えながら仰け反りました。
「何故お前は、そのように愚かな事を・・」
ですが憤慨の骨頂に達している近藤先生の勢いは止まらず、語尾は悲嘆のあまり、堪えきれない泪でくぐもります。
「もうやっとうなど、金輪際許さんっ」
「おとっつぁまっ」
そして憤怒の迸りが云わせた近藤先生の一言に、宗ちゃんの瞳が張り裂けんばかりに見開かれ、細い悲愴な叫び声が、室に響き渡りました。
「駄目だと云ったら、駄目だっ。お前はもう家から一歩も外には出さん」
深い色の瞳から、ぽろぽろと零れ落ちるものをも拭わず、まるで人形のように、表情と云うものを失くしている宗ちゃんの様を目の当たりにし、一瞬己の胸が、窮(きゅう)と泣き声を上げたそれを堪え、近藤先生は怖い顔を崩せぬ苦しさに、ぐぅと奥歯を噛み締めました。
ですが・・・
呆然と力抜けた宗ちゃんの身体が揺らぎ、今にも倒れんばかりに前に傾いだそれを、待っていたように受け止めたのは、何と八郎さんの腕でした。
「父御殿、確かにあの薬売りは、宗次郎とは天と地ほども似合いません。ですが、宗次郎の天賦の才までをも、ここでもぎ取ってしまうのは、如何なものか・・。実は心形刀流は、上様の御前試合も許されている、格式高い流派。このまま続ければ、或いは宗次郎の才が、上様のお目に止まる事も、無きにしもあらず」
最後は何やら含んだ物言いに、顰め面を決め込んでいた近藤先生が、驚いたように八郎さんを振りかえりました。
「上様の・・?」
「左様。上様のお目に止まり、お小姓組に取りたてられるも、あながち夢ではありません」
「・・お小姓組」
ぼんやり繰り返す近藤先生に、八郎さんは満面の笑みで頷きました。
「だがそれでは宗次郎は、城に上がらねばならん。城に上がれば、馬頭饅頭を好きな時に、好きなだけ食べる自由も許されん。それに宗次郎は生まれながらに病弱の身。他のお小姓方の嫉妬を買い、城で苛めにでもあえば、心労で益々儚くなってしまう・・」
何しろ、簡単明瞭な作りの近藤先生。
既に自分の倅こそは、上様のお小姓に一番相応しいと決め付け、挙句、慣れぬ城勤めでの苦労にまで思いを馳せ、遂には不憫が先立ち涙ぐむ始末。
「せやけど旦那様」
ひとり自分世界に浸っているその近藤先生に、然して遠慮するでも無く声を掛けたのは、番頭の山崎さんでした。
「江戸の大奥云う処は、将軍さまの御台所さまやら、側室さまやら、そりゃもうえらい仰山のおなごはんが居てはりますやろ?もし坊ちゃんが上様のお目に止まらはったら、その大奥の呉服の一切合財を、うちの店で調達してもらえるんと違いますか?」
山崎さんは頭の中で、ぱちぱちと算盤を弾くと、満更でも無さそうに頷き、近藤先生を見遣りました。
「何を云っておるっ、宗次郎に城勤めの辛い思いをさせてまで、近藤屋の暖簾を護る気は無いぞっ」
「おとっつぁまっ・・」
ですが一喝する近藤先生を、宗ちゃんの、か細い声音が止めました。
「・・宗次郎は、宗次郎は、・・・近藤屋のお役に立ちたいのです。だからお城に上って、おとっつぁまと馬頭饅頭を食べられなくなっても、きっと我慢します。だから・・」
やっとうの稽古を続けさせて下さいと、蒼白な頬に、はらはらと露を滑らせながら訴える宗ちゃんに、近藤先生も己の目を潤ませるものを堪えきれず、遂に感極まり、宗ちゃんをしかと抱きしめました。
「宗次郎っ、なんといじらしい事を云うのだい・・」
そうして華奢な身を掻き抱き、おんおんと、もう誰憚る事無く声を放って泣く近藤先生とその息子の抱擁を、周りを取り囲んでいる者達は、関わりたくない他人事と決め付け、そっと視線を逸らせました。
ほんとうに。
親が親なら子も子だと、長い付き合いながら、それでも山崎さんは、ふぅっと深い溜息をつきました。
ですがふと視線を流した横の島田さんは、堪えきれずに嗚咽を漏らし、手拭を目に当てて、貰い泣きしているではありませんか。
山崎さんは、今一度ふりふりと頭を振ると、主人も主人なら、手代も手代・・と、そっと己が人生の教訓に付け加えました。
ところが。
世の中には、世間さまの怖さ不思議さを、胆に命じて知っている筈の山崎さんにすら、計り知れないものがあったようで・・・
「父御殿」
宗ちゃんを抱きかかえたまま、熱い泪にくれる近藤先生に、すいと手を伸ばし、そうして肩に触れて声を掛けたのは、八郎さんでした。
「例え上様の御目に叶っても、宗次郎の身は、必ずや私が護り通します。それゆえ、どうか宗次郎に、やっとうの稽古を続けさせてやっては、貰えないでしょうか」
凛と言い切る強い調子の声音に、小さな目も瞼も、大きな鼻も立派な口も、顔と云う顔中、もう何処もかしこも濡れている処は無いと云い切れる近藤先生が、漸く八郎さんを見上げました。
「伊庭さまが?」
「はい」
ぐずっと鼻を鳴らして問う近藤先生に、八郎さんはしかと応えます。
「伊庭八郎秀穎、生まれてこの方、嘘と偽りは一度たりとも口にした事はありません。ささ大船に乗ったつもりで、宗次郎をお任せ下さい」
けれど『方便』には使った事は、もう問われた処で答え切れない・・とは云わず、八郎さんは近藤先生に向かい、大きく頷きました。
そうして・・・
八郎さんはお腹の中で、嘯きます。
全く――
冗談ではありません。
錦小路で、二度と見たくは無いご面相の蛸の前に屈みこみ、うっとりと夢心地の宗ちゃんを見初めたのが、丁度ひと月前。
どうやって口説こうかと思案を巡らせていた処に、飛んで火に入る夏の虫宜しく、宗ちゃんの方から入門を願い出て来た時には、日頃の己の善行、掛け値無い人柄と人徳に、天が寄越した『当たり前の僥倖』と受け止めたのは良かったのですが・・・
宗ちゃんのお目当ては、やんごとない事情で出入りを許した薬屋だったと知った時の、あの衝撃は、思い出すだに、八郎さんの腸を煮え繰り返させるのです。
それから毎日毎日、どうして宗ちゃんを薬屋から引き離そうかと策を練っていた処に、今回のこの騒ぎ。
道場への出入りを禁じられたら、それこそ何もかもが一挙に御破算です。
此処はひとつ、何とでもこじつけて、最悪の事態だけは回避せねばなりません。
「おとっつぁま、お願いですっ、宗次郎は、きっと強くなって、おとっつぁまや近藤屋をお護りします」
だからやっとうの稽古に通わせて下さいと、今一度、大きな瞳を雫で潤ませ懇願する宗ちゃんに、近藤先生は、つぅと零れるものを宙を見据える事で堪え、次には、宗ちゃんの薄っぺらな肩をしかと掴んで、頷きました。
「宗次郎、もういい、もういい。お前がそんなにも、わしの事を案じてくれていると知っただけで、おとっつぁまは何も思い残す事は無いよ」
そうして宗ちゃんを掻き抱いたまま、今度は八郎さんに顔を向けると、零れ落ちる泪を拭おうともせず、低く頭を下げました。
「伊庭さま、この通りでございます。どうか、どうか宗次郎を、宜しくお願い致します」
「しかと、承知致しました」
ゆるりと余裕で応える八郎さんの背に、祝言の金屏風が見えたのは錯覚だったのか――
見間違いやろ・・
山崎さんは一度目を瞬いて、その残影を脳裏から消し去りました。
そして――
「なんや、おかしいと違うか・・?」
ぽつりと漏れた声に、漸く目から手拭を離した島田さんが、怪訝そうに、山崎さんを見下ろしました。
「坊ちゃんがやっとうの稽古に行くんは、わざと打たれて、惚れた薬売りから薬を買う為やったんやろ?そんで旦那はんが、そないな事なら稽古には行かせん云うて、えらい怒りなはった。其処まではええんや」
ぶつぶつと記憶を辿る山崎さんを、島田さんは、泣き腫らした赤い目で、相変わらず不審げに見下ろしています。
「けどそれに伊庭の若さまが、『やっとうの稽古している内には、上さまのお目に止まるかもしれん』云うたんや。そんでうちが『もしそうなったら、大奥の呉服一手に引き受ける事が出来ますなぁ』云うたんや・・・そや、其処からが、おかしいんや」
「何がおかしいん?」
島田さんは、懐から出したちり紙で、ずぅと鼻をかむと、際限の無い熟考に嵌っているような同僚に、気の無い相槌を打ちました。
「旦那はんは、上様のお目に敵うのは不憫や云うて反対したのに、坊ちゃんは近藤屋の為になりたい云うて首を振った。・・そんでその途中で、伊庭の若さまが、『上様のお目に叶っても、必ず自分が坊ちゃんを護る』云わはって、いつの間にやら旦那はんが、やっとう続ける事許さはって、・・・そんであの通りや」
「何でもええけど、丸く収まれば、それでええんと違うか?」
訳分からんと、ふりふり頭を振る山崎さんに、島田さんが、もう一回鼻をかみながら、ついお国の大垣訛りでいらえを返しました。
「・・丸く、云うんかいな、あれが」
「筋道立てて見てたら、そりゃ訳分からんやろ。けどその場その場で感動してたら、ええ場面の連続やで」
島田さんは、未だ感慨覚めやらぬ面持ちで、それこそうっとりと呟きました。
「筋道立てずに、一回ぽっきりで見ろ、云うんか?」
「その方が難しい事無くて、ええんと違うか?」
「そしたら坊ちゃんが惚れこんだ薬屋の事は、どないするんや」
「あっ・・」
山崎さんの、あまりに端的な意見に、島田さんはすっかり忘れていた元凶を思い出し、大きな口を、大きな手で覆いました。
「大変なんは、これからやろ」
それに被さってくる己の荷の重さを、早想像し、山崎さんは、これみよがしの大きな溜息をつきました。
つづく かどうか、本当に分からない・・
花咲く乱れ箱
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