総ちゃんのシアワセ 贋作でシアワセ♪なの 「・・と云う訳で、お菊は惚れた亭主に裏切られた挙句、その相手に毒を盛られちまったんだな。だが見るたんび恐ろしい顔貌になって行く己に恐怖しながらも、好いた亭主の元を離れられなかった。・・・余程惚れていたんだなぁ。意地らしいじゃねぇか」 永倉さんは其処まで語ると、ふと肩を落とし、切なげに溜息をつきました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() そうなのです。 ここは西本願寺の敷地に間借りしている、新撰組屯所。 今日も道場からは、威勢の良い掛け声が聞こえてきます。 とは云うものの、腕自慢の兵(つわもの)どもとて、このうだるような古都の暑さには、些か閉口ぎみなのでした。 中でも総ちゃんは、日頃の脆弱さと暑気当りが相俟って、日に日に儚い風情となり、心配した近藤先生が、あれやこれや美味しそうな菓子を運んでくるのですが、それにすら口をつけられ無い状態で、しかも間が悪い事に、急遽向こう三日間の土方さんの大坂出張が決まるや、とうとう体力の限界と寂しさのあまり、床に伏してしまったのでした。 とまぁ、そんな訳で、早朝見送った土方さん恋しさに、溜息ばかりの半日が過ぎた頃。 お節介か男気かを問われれば、はたと首を傾げてしまう人間は何処にでもいるもので・・・ その総ちゃんの様子を、通りがかりに見かけた永倉さんが、怪談のひとつでもし、涼気に触れさせ元気つけてやりたいと、頼みもしないのに、団扇片手に座敷に上がり込んで来たのが、お天道様の熱も今が盛りの昼下がり。 ぐったりと精気の無い総ちゃんの床の傍らに座り込み、世間話のひとつふたつをし、喉の調子を確かめて、今正に語り始めようとしたその時――。 「客人かえ」 いつものように総ちゃん詣に遣って来た八郎さんが、我が家同然に敷居を跨ぐと、これみよがしに枕元に座り込みました。 そして更にその後から、これは永倉さんを探しに遣って来た島田さんが、遠慮がちに中を覗いたのです。 そんな風に増えて行く人間を見れば、聞き手は多い方が良いと、人である限り欲がでるのを、一体誰が止められましょう。 永倉さんは、ひょいと半身を廊下に乗り出すと、其処にいた隊士に、今日は非番の筈の、藤堂さんと斎藤さんを呼んで来るよう云いつけました。 そんなこんなで、何時の間にか増えた座敷の客は――。 床の上に、ようよう端坐している総ちゃん。 それを支えると云うよりも、ぴったりと身を寄せるようにして、扇子で風を送っている八郎さん。 これから聞く話しの恐ろしさに、大きな体を緊張で縮めている島田さん。 そして。 断りきれなかった己の優柔不断を、少しばかり後悔しながら、もう拭くのも面倒な汗を、ねじり鉢巻で止めている藤堂さん。 怪談はどうでも良いけれど、最近二番隊と云う存在が邪魔だと思う事がしばしばあり、ならば一番隊と三番隊がくっつけば満足なのかと・・・ ふと過ぎった己の心の奥底にある正体を確かめるべく、ちらりと総ちゃんを見るや、その姿を瞼の裏に焼き付けるかのように静かに目を閉じ、瞑想に耽る斎藤さんの、五人となったのです。 と、そこへ。 「いやぁ、ほんま、暑ぅて暑ぅてかなわんわ」 暑さに輪を掛けるような賑やかな声がし、はたはたと扇子を仰ぎながら、庭を回ってやって来たのは玄海僧正さんでした。 「あんた今、盆で稼ぎ時だろう?」 その頭に跳ねる陽を、迷惑げに手傘で遣り過ごしながら、何故今頃此処にいるのだと問う藤堂さんの声も、暑さのあまりついつい無愛想なものになります。 「そないなもん、正念と知念が、あんじょう回ってます」 「いい加減な坊主だな」 それがどうしたとばかりに嘯く玄海さんに、永倉さんの声にも、流石に呆れた響きが籠もります。 「あんなぁ、檀家やなんて、普段は先祖を寺に預けっぱなしやで。それをうちらが、懇ろに面倒見てますのや。せやし年に一度の里帰り中くらい、こっちも休ませて貰わなかなわんわ」 ふんと鼻をならした玄海さんの理屈に、そう云われてみれば、確かにそんな気もしてくるような、複雑な思いの藤堂さんの横を、玄海さんはずんずん通りすぎ、総ちゃんの真正面に端坐しました。 「沖田はんが暑気当りと聞いて、うちはもうえらい心配で心配で・・・。檀家回りも正念と知念に任せて、慌てて駆けてきましたのや」 つい今しがた自分が聞いた屁理屈を、たった二歩歩いただけで、臆面も無く正論に擦り変えた玄海さんの図太さに、藤堂さんは唖然としつつ、けれどこれも世知辛い世の中を渡って行く術かもしれないと思い直し、それでもふと心の中に秋風が吹くのを禁じえませんでした。 「あのね・・永倉さんが、怖い話で涼しくしてくれるから大丈夫なのです」 玄海さんに身を乗り出すようにされて、その分後ろに引きながら、総ちゃんは、敷地を借りている大家さんには、くれぐれも粗相の無いようにとの近藤先生の言葉を思い出し、か細い首を縦にして、幾度も頷きます。 「怖い話?」 「そうよ、怪談よ。夏とくりゃ怪談と相場は決まってるだろうが」 壁を背に、胡座をきながら、団扇で涼をとっていた永倉さんが、やっと出番とばかりに声を大きくしました。 ところが。 そこは仏になった身を、迷う事無く極楽に送る為、懇ろに弔うのが商売の坊主。 「成仏できんかった、お化けの話しかいな」 その成仏に失敗したお化けの話だと聞くや、それまで総ちゃんに見せていた、とろけるような笑顔を一瞬消し、玄海さんが、ちっ、と忌々しそうに舌打ちをしたのです。 それに驚いたのは、真正面から玄海さんと対座している総ちゃんです。 もしかしたら今のは錯覚ではなかったのかと、大きく見開いた深い色の瞳を瞬き、そうして再び玄海さんに視線を戻してみましたが、もう其処には、先ほどの仏頂面の欠片も無く、仏像のように慈悲深い笑みだけがありました。 「けどよ」 あれは見間違いだったのだろうかと、不思議そうに首を傾げた総ちゃんでしたが、すぐに後ろから、八郎さんの鬱陶しげな声がしました。 「幽霊なんざ、坊主の怠慢の産物だろう?」 なぁ?と、総ちゃんを覗き込む八郎さんは、たかが幽霊になった如きで、この恋が成就すりゃ苦労はしないと、胸の裡で嘯きます。 「失礼なやっちゃな。坊主かて生身やで。生きてるもんの煩悩の世話で精一杯や。あの世の世話までやっておられるかいな。その為の、神さん仏さんやろ」 流石は、そう簡単に悟りなど開けてたまるかと、日々豪語して憚らない玄海さんです。 妙に説得力のある言葉に、一等後ろに端坐していた島田さんが、大きく頷きました。 と、その時。 「どうでもいいけどよ、怪談の先はどうなっちまったんだよ」 柱にもたれ、頭に捲いた鉢巻からは、絞れば汗が滴り落ちそうに赤い顔をしている藤堂さんが、不機嫌をあからさまにして、先を促しました。 「それよっ」 その一言で、永倉さんも、話が中途で止まっていた事を、はたと思い出したようで、いそいそと身を乗り出しました。 意気込む永倉さんの口から、どんな怖い話が飛び出るのかと、ぶるりと震えた総ちゃんの背を、八郎さんは何気なさを装い、更に自分の内へと深く抱え込みます。 永倉さんは、そうする事で精神を集中するかのように目を閉じ、やがてゆっくりと開くと、二度三度喉を鳴らし調子を整えました。 そして――。 「・・亭主が、己の不義密通を隠す為に飲まされた薬で、お菊の顔は段々腫れ上がって行った。しかも悪いことは重なるもんで、代々家に伝わると云う家宝の皿を、ある日お菊が一枚割っちまったんだな。それを理由に、亭主はお菊をその場で成敗。遺骸は古井戸に深く埋められた。ひでぇ亭主もいるもんだっ」 かんかん照りの昼日中、おどろおどろしい怪談を、からりと陽気な江戸言葉が、威勢良く語り継ぎます。 「それから幾日かして・・・。夜中になると、屋敷の者たちの耳に聞きなれた声がするようになった。それがよく聞くと、どうも数を数えているらしい。・・・いちまい・・にまい・・さんまい。・・・亭主が恐る恐る障子の隙から覗くと、其処には埋めた筈のお菊が、ぼうと闇に浮かんで皿を数えているぢゃぁねえかっ。そして九枚数え終わり、最後の一枚が無いと知るや、ああっ・・と悲鳴のような絶叫がっ」 話している内に、永倉さん自身も調子が乗ってきたようで、持っていた団扇を張り扇の代わりにして畳を叩きながら、時折はぐすりと鼻をすすっての熱弁に、誰もが噴出す汗を堪えきれません。 「いじらしいじゃねぇか。あの世に渡っても皿の数が気になるんだろうなぁ・・」 「ちょっと待ったぁっ」 ところが其処に、永倉さんの勢いを止める声が・・・ それに皆が注目すれば、肩膝立ちの藤堂さんが、阿吽像よろしく片手を突き出し、話の先に待ったをかけているではありませんか。 「なんだっ」 気持良く語っていた腰を折られた永倉さんも、こうなれば藤堂さんの胸倉を掴まんばかりに怒鳴り返します。 「そいつ、おかしかぁねぇか?」 「何がだっ」 「奉公先で皿を割っちまって成敗されて、夜な夜な皿を数えるってぇのは、番町皿屋敷のお菊だろう?そんで亭主に毒を盛られて、挙句殺され、自分をおとしめた人間に祟るってぇのは、四谷怪談のお岩じゃねぇか?あんたのは、両方ごちゃまぜだろうっ」 「混ぜて何処が悪いってんだっ、ひとつよりふたつの方が、怖さも増すってもんだっ」 「そりゃ、違うぜっ、皿数えてなんぼのお菊と、亭主に殺され川に流されたお岩の祟りじゃ、執念てもんが違うだろうっ」 「じゃぁ何かっ?藤堂。お前は夜中に、恨めしげに皿の数を数える声を聞きながら、高鼾で寝られるってのかっ?お菊の几帳面な執念は、そんじょそこらの怨念とは違うってんだよっ」 「ああ、寝られるねっ。そんなもの、端っから井戸に皿一枚投げ込んで十枚にしといてやりゃ、お菊だって文句はねぇだろうっ」 大体が、怖さなど何処を探しても欠片も見つからない、永倉さんの怪談。 それに藤堂さんとの唾飛ばしあいの怨念談義が重なっては、ただですら耐え難いこの炎暑の中、聞かされている方はたまりません。 本当は身を起こしているのすら辛い総ちゃんは、互いに譲らぬ漢(おとこ)気の熱気に当てられ、益々くらくらして来ます。 「大丈夫かぇ?」 それを素早く察した八郎さんは、抱え込むようにして総ちゃんを支えると、二人の問答など何処吹く風で、蒼い面輪を覗き込みます。 ところがっ。 今にも八郎さんの腕の中で崩れ折れそうだった総ちゃんの瞳が、どうした事か突然大きく見開き、視線は呆然と宙を彷徨っているではありませんか。 「どうしたのだえ」 怪訝そうな八郎さんの声に、漸く永倉さんと藤堂さんも言葉を止め、皆が総ちゃんに注目すると、形の良い唇が戦慄くように震え、形になったのは、たったの三文字。 「・・・はいく」 呟きにも満たない小さな声に、永倉さんと藤堂さん、島田さんと斉藤さん、そして玄海さんと八郎さんが、互いに見たくも無い顔を見合わせました。 けれど総ちゃんは、一瞬室に流れた、重い疎ましげな空気など感ずる余裕も無いようで、慌てて枕を除け、其処に『豊玉発句集』と書かれた綴りがある事を確かめると、深い安堵の息をつき、まるでこの世のお宝のように、それを大切に取り上げました。 それから一枚ずつ捲り、全部の句が揃っている事を見届けると、今度こそ身体の神経の全てが緩んでしまったかのように、其処に崩れ折れてしまいました。 「おいっ」 「あのね、土方さんの俳句が無くなってしまうと困るのです」 慌てて支えてくれた八郎さんの腕の中で、総ちゃんは我が身の事を差し置いて、瞳を潤ませながら、必死に訴えます。 そうなのです。 確かに永倉さんの怪談は、怖いと云うには程遠いものでしたが、けれど総ちゃんには、幽霊になっても、割ってしまったお皿の数を数えるお菊さんの姿に、はたと思い当たる事があったのです。 それは――。 もしも土方さんの句を一枚でも無くしてしまったら・・・と云う、考えただけで気が遠くなってしまいそうな、世にも恐ろしい想像でした。 もしそんな事になったら、きっと自分もお菊さんと同じように、失くした一枚を捜し求めて、彼岸と此岸を宛てなく彷徨う事でしょう。 それを思えば、立場は違うと云え、総ちゃんにはお菊さんの気持ちが、我が事のように分るのです。 ところが・・・ 世の中、単純な考え方の持ち主の方が、色々と具合が良いようで。 「なら失くしてもいいように、もう一冊作っておきゃいいんだろ?」 その総ちゃんの憂いを、いとも簡単に解決したのは、何と藤堂さんでした。 「ああ、そりゃええ事ですわ。一冊なんて云わんと、仰山作ればよろしいいのや。あの慈悲深ぁあいお俳句さまを、たんと作って、あちこちの寺に納めれば、ひとつくらい失うなっても平気や。それに立派なものには、贋作ちゅうもんがつきもんですわ」 玄海さんは、その句帳と共に、これを伝道した自分の名が後の世まで残る事に、そっとお腹の中でほくそ笑むと、数珠を取り出し、さも大仰に合掌しました。 「それも、功徳って奴かもしれねぇなぁ・・」 その念仏も終わらない内に、総ちゃんの背に腕を回したまま、八郎さんが、しみじみと呟きました。 「掻き捨てられる恥を、わざわざ後世に残す覚悟は、並みの神経じゃ出来ない図々しさ。ならば贋作のひとつふたつ作る恥じの上塗りとて、あの人の中じゃ、疾うに承知のことだろう」 八郎さんの、あたかも尤もらしい意見に、総ちゃんも嬉しそうに、こくこくと頷きます。 土方さんの尊い句集が、江戸や京ばかりではなく、あらゆる処に幾冊も残るのです。 例えば。 もしも・・・。もしもお参りに行ったお寺で、土方さんの句集を偶然見つけたら、きっと心の臓が飛び出てしまう程に驚いて、それから嬉しくて嬉しくて、目の奥がジンと熱くなってしまう事でしょう。 それから震える指で、一枚ずつ捲り・・・ ああ、なんて素敵な思いつきなのでしょう。 総ちゃんは、手にしている句集を、潤んだ瞳でうっとりと見詰めました。 「そうとなれば、こうして皆が集まったのも、お俳句さまのお導きですやろ。これから皆で、この尊いお俳句さまを写させて頂きまひょ」 まるでそれが己に課された使命であるかのように、玄海さんは、念仏で鍛えた声を更に低くし、厳かに云い切ると、立ったままぐるりと全員を見渡しました。 そうなれば、其処はそれ。 玄海さんとて、伊達に坊主修行をやって来たわけではありません。 しかも西本願寺僧正ともなれば、威厳のひとつふたつ作るなど、朝飯前です。 そんな玄海さんの押しの強さと、その横でうっとりと夢路を彷徨っている総ちゃんを見比べながら、どうにも妖しげな雲行きに首を傾げつつ、八郎さんを除く全員が、煙に捲かれたように、曖昧に頷いてしまいました。 一人だけ、自分の意にならない八郎さんを、玄海さんが胡乱げに見下ろすと、当の本人は、支えているのか抱いているのか分からぬ手合いで、扇子の風を総ちゃんに送るのに余念がありません。 「俺が面倒を見ていてやらないと、こいつが倒れちまうだろう?」 そしてそれこそが自分の役目だと云わんばかりに、八郎さんは、これみよがしに総ちゃんを引き寄せました。 その様を見ながら、般若のようなご面相になった玄海さんの一瞬芸に、又も総ちゃんの身がびくりと震えました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() そんなこんなで――。 部屋の中には、横一列に、行儀良く並べられた文机が五つ。 端から、総ちゃん、永倉さん、斎藤さん、藤堂さん、島田さんの順です。 そしてその総ちゃんの横には、ぴったりと八郎さんがついて、相変わらず扇子で風を送っています。 「皆、気張ってやっ、後世に残るお俳句さまの贋作やでっ」 更に皆の後ろには、手習いの師匠よろしく控えた玄海さんが、熱い檄を飛ばします。 総ちゃんは。 一行書き終えるたびに、ほぅと溜息をつき、じっと句に見入ったまま身じろぎもせず瞳を潤ませているので、中々先に進みません。 その横で永倉さんは。 確か最初は総司に怪談を聞かせて、涼しくさせてやる筈だったのが、何故面白くも無い、土方さんの俳句の手習いをしなければならなくなったのか・・・ それを途中まで考えていましたが、その内にそれも面倒になり、取り敢えずどうでも良い事にも男気を見せる己の懐の深さ、裁量に満足し、手にした筆に、たっぷりと墨を浸しました。 そして斎藤さんは。 迷惑と云われれば迷惑この上ない状況ではあるけれど、それよりも、隣の永倉さんが邪魔をして、夜着を纏った華奢な姿が見えない事の方に不満を感じている己を知り、人の心とは、自分自身でも分かりかねる奥深いものだと、改めて驚嘆しながらも、手にしていた筆で、白い紙に、『梅』と云う最初の文字を書きつけました。 そしてやはり、一番隊と三番隊に挟間を作る二番隊の存在を、疎ましく思ったのでした。 更に藤堂さんは。 『番町更屋敷』と『四谷怪談』の違いを、己の中で整理するように、暫しぶつぶつと呟いていましたが、結局、昔も今も女の執着ほど怖いものは無いと、ようよう辿り着いた結論に、ふりふりと、捻り鉢巻の頭を振りました。 そうして、島田さんは。 大きな体を小さく縮めて、もしこの事が副長に知れてしまったら、どんなに恐ろしい事になるのかを想像し、大坂から戻る前に、新撰組の極秘裏として、速やかに即効で、必ずや無かった事にしなければならないと、炎暑の中、背中に冷たい汗が流れるのを止められませんでした。 それぞれが、それぞれの裡に抱く思いを知ってか知らずか――。 蜩の泣き声が、周りの一切を封じ込めてしまうかのように、一際激しくなりました。 |
益々お暑くなってしまったようで・・・とほほ
瑠璃の文庫